睡眠効率とは?理想値や求め方、短期間で睡眠効率を上げる方法もご紹介!

「しっかり寝ているつもりなのに疲れがとれない」と悩んではいませんか?もしそう感じているのなら、睡眠の「質」が悪い可能性があります。

良質な睡眠がとれないと、心身の疲労回復や日中の作業効率に大きな影響を与えるため、早めに対処することが大切です。

本記事では、理想的な睡眠のとり方や良質な睡眠で得られるメリット、睡眠効率を上げる方法について紹介します。寝起きが悪い方や途中で目覚めてしまう人はぜひ参考にしてください。

1.睡眠効率とは?求め方や理想値を知ろう

日本人の平均睡眠時間は6~8時間ほど。しかし、6~8時間しっかり寝ていても、入眠や起

床までに時間がかかっていれば睡眠効率が高いとは言えません。まずは、睡眠効率とは何かについて確認していきましょう。

1-1.睡眠効率の求め方 

睡眠効率とは、布団に入っている時間に対する睡眠時間の割合のことで、「実際の睡眠時間÷ベッドにいた時間×100」(%)で求められます。

たとえば、7時間の睡眠をとった場合、布団にいる時間が7時間であれば睡眠効率は100%、10時間であれば70%となります。

睡眠効率の数値が高いほど良質な睡眠をとれていることになり、入眠障害や途中覚醒がある場合は睡眠効率が悪くなります。睡眠効率を高めると、スムーズに眠りにつきスッキリ起きれるので、1日の時間の有効活用にもつながりますよ。 

1-2.理想の睡眠効率

一般的に、理想的な睡眠効率は85%以上だと言われています。睡眠時間が7時間であれば、就寝から起床まで、布団に入っている時間はおおよそ8時間半以内がベストです。

睡眠時間によって多少前後するものの、目安としては布団に入ってから30分以内に入眠し、目覚めて30分以内に起き上がれるのであれば、睡眠効率が良い状態と言えるでしょう。

自分の睡眠効率がどれくらいなのかを知りたいときは、睡眠アプリを使うのがおすすめ。睡眠中の体の動きや寝返りの音を録音し、データとして記録できるので、入眠までかかった時間を把握できます。なかには、睡眠サイクルや寝言などを計測してくれるアプリもありますよ。

2.睡眠効率が高いことのメリット

睡眠には浅い睡眠状態のレム睡眠と、深い睡眠状態のノンレム睡眠の2種類があります。このうち、良質な睡眠をとる上で特に大切なのが、ノンレム睡眠です。

  • 心身の疲労回復効果
  • 美容や健康にうれしい効果
  • 記憶力アップ効果

ノンレム睡眠にはこのようなさまざまな効果があると言われており、ノンレム睡眠をしっかりとれないと、睡眠効率が高いとはいえません。では、それぞれのメリットを詳しく見ていきましょう。 

2-1.心身の疲労回復効果

1つ目のメリットは、心身の疲労回復効果が期待できることです。私たち人間は、寝ている間にレム睡眠とノンレム睡眠を約90分の周期で繰り返しています。このうち浅い眠りであるレム睡眠では記憶情報処理などを行っており、夢を見ることも少なくありません。

一方深い眠りであるノンレム睡眠は脳がしっかりと休息している時間で、成長ホルモンが多く分泌されます。

成長ホルモンとは、その名のとおり成長に関わるホルモンの1つ。子どもから大人まで年齢に関わらず分泌され、筋肉や骨などの細胞の修復や体の疲労回復の働きがあります。

またノンレム睡眠をしっかりとると熟睡感を得られるため、起床時の目覚めが良くなります。起床時の疲労感が減り、日中の活動効率も向上するでしょう。

2-2.美容や健康にうれしい効果

睡眠効率を上げれば、美容や健康にうれしい効果も期待できます。というのも、成長ホルモンには皮膚細胞を再生させる働きもあるためです。

肌には「ターンオーバー」と呼ばれる生まれ変わりのサイクルがあり、定期的に古い細胞と新しい細胞が入れ替わることで美しい状態を維持しています。

ターンオーバーを促す大きな役割を担っているのが成長ホルモンであり、傷ついた細胞を修復したり代謝を調節したりしているのです。

また、女性の場合は肌のうるおいや弾力を保つコラーゲン、ヒアルロン酸の生成をサポートする女性ホルモンも睡眠中に分泌されます。

これらのホルモンが分泌されるノンレム睡眠が最も深くなるのは、入眠後90分の間と言われています。美肌や健康を維持するためにも、睡眠効率がポイントになります。

2-3.記憶力アップ効果

脳は寝ている間に記憶を整理しており、これまでは日中にインプットした情報を整理して定着させる働きがあるのは、眠りの浅いレム睡眠だと言われてきました。

しかし、最近の研究では、ノンレム睡眠も記憶の定着に関与していることが明らかになってきました。入眠してから最初に訪れる深いノンレム睡眠で新しい記憶を固定するための準備を行い、後半の浅いノンレム睡眠ではさまざまな記憶を関連づけて統合する働きがあるのです。

さらに錦之堂インターナショナルが行った研究では、睡眠環境を整えてノンレム睡眠の質を改善すると、睡眠自体の質が上がり、記憶定着効果も高くなるという結果に。このことから、睡眠効率を上げると記憶力アップにもつながると言えるでしょう。

【産学連携】寝るだけで疲れが取れて、記憶の定着に貢献すると判明 慶應義塾大学満倉教授と錦之堂インターナショナルが「特殊形状パッドを使用した睡眠」に関する実証実験を実施

3.睡眠効率を上げる方法

このように、睡眠効率を上げると、心身を健やかに保ち、記憶力アップにもつながるなどさまざまな効果があります。また、しっかり疲れをとるとで目覚めも良くなり、日中も活動的に過ごせるようになります。

睡眠効率を上げるためには、規則正しい生活を心がけ、質の高い睡眠がとれるリズムをつくることが大切。そこで次は、睡眠効率を高める方法を5つ紹介します。短時間でできるものもあるので、ぜひ習慣化してみてください。

3-1.ストレッチで体をほぐす

体が凝っていたり姿勢が悪かったりすると、自律神経のバランスが乱れ入眠の妨げになることがあります。そのため、日中や就寝前にストレッチをして体の凝りをほぐしましょう

血液の流れが良くなると副交感神経が優位になり、体は眠る準備が整います。また、血流が改善することで老廃物が流れやすくなり、疲労感の解消にもつながります。

特におすすめなのは、肩甲骨周りを緩めるストレッチ。両手の指先を肩に付け、肘と肩を後ろに大きく回しましょう。20回くらい回すと、こわばっていた筋肉がのび血流が良くなります。ただし、就寝直前に激しい運動するとかえって体が落ち着かなくなるため避けましょう。

3-2.食生活を正す

良質な睡眠をとるには、朝昼夜と規則正しく食事を摂り、体内リズムを整えるのも大切です。決まった時間に正しく食べることで体内時計が整い、スムーズな入眠につながります。

特に朝食は、長い間絶食状態だったお腹に食べ物が入ることで、体が活動の準備を始めるのに役立ちます。おすすめの食材は、アミノ酸のトリプトファンを多く含む大豆製品や乳製品、お米など。朝食を食べる習慣がない人、朝の時間に余裕がない人は、スムージーやヨーグルトなど食べやすいものから始めましょう。

なお、寝る前に飲食をすると胃腸に負担がかかって眠りが浅くなってしまいます。夕食は就寝の3時間前までに済ませるのが良いでしょう。就寝前は、白湯や生姜湯、ホットミルクなど温かいものを飲んで体を温めるのもおすすめです。

3-3.お風呂に浸かり体を温める

私たち人間は、体温が下がるときに眠気を感じます。そのため、スムーズな入眠体制をつくるには、就寝の90~120分前にお風呂に浸かるのが効果的です。適度に体温が上がり、布団に入る頃には自然な眠気を感じられると言われています。

ただし、お湯の温度には注意が必要。熱いお湯での入浴は体を興奮させるため、かえって寝つきが悪くなる可能性があります。38度くらいのぬるめのお湯に30分前後ゆっくりと浸かったり、40度くらいのお湯で半身浴をしたりするのがおすすめですよ。

3-4.就寝前の過ごし方に気を付ける

スマホやパソコンの光に含まれるブルーライトには、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を妨げる作用があります。

就寝前に長時間使用すると寝つきが悪くなる可能性があるため、スマホやパソコンを使うのは、できれば就寝1時間前まで、遅くても30分前までに留めましょう。

寝る前にスマホやパソコンを操作するのが習慣になっている人は、リラックスできる他の方法を試しましょう。おすすめは、読書やヒーリングミュージック、ストレッチなどです。

3-5.寝具を変える

睡眠の質には、食事や入浴だけでなく寝具も大きく影響します。マットレスや布団などが自分に合っていないと、睡眠が妨げられて睡眠効率が下がってしまうことも。また、寝起きの疲労感や腰痛、肩こりといった体の不調にもつながります。 

もし今、生活習慣に問題がないのに良質な睡眠をとれていないと感じるのなら、寝具に原因があるかもしれません。そんなときは、保温性や吸湿性にすぐれ、体への負担が少ない寝姿勢を維持できる寝具に変えてみましょう。

3-5-1.枕

体に合わない枕を使っていると、肩こりや頭痛、腰痛などの不調につながり睡眠の質も低下してしまいます。そのため、自分の体型に合う枕の高さを知り、安定感のあるものを選びましょう。

寝やすいと感じる枕の高さは人によって異なりますが、理想は自然に立った姿勢をそのまま保てるもの。頭が不自然に持ち上がってしまったり、呼吸がしづらくなってしまったりするものは、体に対して枕の高さが合っていません。

横向きに寝た際、頭をまっすぐに支えられるかどうかも大切です。さらに、睡眠中はたくさん汗をかくので、吸湿性の良い素材を選ぶと良いでしょう。

3-5-2.掛け布団

掛け布団は、寝ている間に体から熱が奪われないようにするための寝具です。また、汗を吸収して湿度を保つ役割もあります。

日本は四季があり気温や湿度が変わりやすいため、睡眠の質を高めるには気候に合わせた掛け布団を選ぶことが大切です。

夏は吸湿性に優れサラサラとした肌ざわりのものを使いましょう。冬は暖かさを意識して分厚い布団を選んだり何枚も重ねたりしがちですが、重すぎる掛け布団は体が圧迫され、快眠も妨げられてしまいます。適度に軽くて保湿性に優れたものや、寝返りをしやすいものがおすすめです。

3-5-3.マットレス

マットレスは、柔らかすぎても硬すぎても体に負担がかかり、眠りが浅くなったり腰痛の原因になったりします。理想的なのは、後頭部から首、胸にかけてと胸から腰にかけての2つのS字カーブを保てる硬さのマットレスです。

寝た姿勢で最も負担が少ないとされているのは、腰部のS字カーブのすき間が2~3センチのとき。そのため2つのS字カーブをバランス良く支えることができ、寝やすいと感じるものがベストと言えます。

マットレスには高弾性ウレタンや低反発ウレタン、ラテックスなどさまざまな素材がありますが、それぞれ硬さや弾力、揺れが異なります。体型や好みは人それぞれであるため、できれば実際に試し寝をしてみましょう。

4.まとめ

睡眠効率とは、布団に入っている時間に対する睡眠時間の割合のことで、平均85%以上の状態が理想的と言われています。

睡眠効率を高めれば、疲労回復や美容、記憶力アップなどの効果が期待でき、日中のパフォーマンス向上にもつながります。入浴や食事、就寝前の行動など生活習慣を見直して、快適な睡眠を目指しましょう。

また、睡眠効率は生活習慣だけでなく寝具選びも大切です。「寝つきが悪い」「熟睡感が得られない」と悩んでいる人は、この機会に自分に合った寝具を探してみてくださいね。

 

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