朝起きると気持ち悪いことが多く、何が原因なのかわからず悩んでいませんか。考えられる原因の1つに寝不足が挙げられます。しかし、寝不足で気持ち悪くなるといわれても、いまいちピンと来ない方はいるのではないでしょうか。
そこで本記事では、寝不足によって気持ち悪くなる原因について解説します。また、気持ち悪くなったときの対処法も紹介しますので、吐き気を改善して明るく楽しい毎日を送りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
寝不足で気持ち悪くなる2つの原因
まずは、なぜ寝不足で気持ち悪くなるのか、原因から解説します。寝不足は次のようなものに起因するため、気持ち悪さを誘発すると考えられているのです。
- 自律神経の乱れ
- ストレス
それぞれ詳しく解説します。
1. 自律神経の乱れ
自律神経とは、自分の意識とは関係なく、身体の機能をコントロールするシステムのことです。血液が流れたり睡眠中に呼吸したりできるのは、自律神経が働いてくれるからです。自律神経には交感神経と副交感神経があり、身体の状態に応じて自動的に切り替わることで、バランスを取っています。
通常、睡眠中はリラックスモードの副交感神経が優位になりますが、寝不足になると神経の切り替えが上手くいかず、活動モードの交感神経が優位のままとなります。交感神経が優位になると、身体はすぐに活動する準備をするため、消化を抑制してしまうのです。その結果、夜に食べたものが消化されず胃に残るため、吐き気や気持ち悪さなどを引き起こします。
2. ストレス
ストレスを抱えると、寝不足や眠りの質が下がるなど、睡眠に大きな影響を及ぼします。ストレスを抱えると交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行われなくなり、睡眠中も活動モードの交感神経が優位のままの状態となります。
通常であれば、睡眠中は副交感神経が優位となり、消化器官が活発になることで夜に食べたものが消化されるものです。しかし、ストレスによって交感神経が優位の状態となれば、消化器官の働きが抑制されます。消化不良が起きてしまい、気持ち悪さや吐き気が生じやすくなります。
寝不足で気持ち悪くなるのは病気の可能性がある
眠くて気持ち悪いというときは、寝不足による自律神経の乱れやストレスが原因ではなく、病気が隠れている可能性があります。考えられる病気に、以下のようなものがあります。
- 低血圧
- 貧血
- 胃腸炎
- 胃炎
- 食道炎 など
他にも睡眠中に呼吸が止まる・弱くなる「睡眠時無呼吸症候群」の可能性があるため、注意が必要です。睡眠の質が低下する無呼吸症候群は、目覚めがすっきりとしない、日中眠気に襲われるなどの症状を引き起こす病気です。吐き気が続き治療しないで放置すると、さまざまな臓器に負担をかけてしまうため、注意しましょう。
寝不足で気持ち悪くなったときの対処法5選
寝不足が原因で気持ち悪くなったときは、次のような対処法が効果的です。
- 仮眠を取る
- ツボを押す
- 消化に良いものを食べる
- 薬を飲む
- お風呂に入る
それぞれ詳しく解説しますので、気持ち悪くなったときの対処法として参考にしてみてください。
1. 仮眠を取る
日中も気持ち悪さが続くのであれば、仮眠を取ると症状が和らぎます。仮眠には、睡眠不足による脳の疲れをリセットする、身体に蓄積していた疲労を軽減するなどの効果があるといわれています。そして、寝不足による気持ち悪さを緩和する効果も期待できるのです。
本来、日中の仮眠は10〜20分が良いとされています。しかし、睡眠不足の場合は30〜60分と長めに取るのがポイントです。まずは30分ほど仮眠を取り、それでも頭がスッキリしないときはさらに30分追加してみましょう。
加えて、仮眠を取るときは、15時よりも前にすませておくことが大切です。夕方に仮眠を取ると、夜の入眠時に深部体温が下がりにくくなり、睡眠の質を低下させる原因になります。そのため、15時以降は仮眠を取らないようにしましょう。
2. ツボを押す
気持ち悪さを即座に緩和させたいのであれば、ツボを押すのが効果的です。ツボを押すことで脳に信号が送られ、乱れた自律神経の調整や鎮痛作用をもたらすといわれています。気持ち悪い症状に効果があるといわれているツボは、主に以下の3つです。
-
足三里(あしのさんり):胃腸の働きを整えたり吐き気を抑えたりする
ひざのお皿の外側にあるくぼみから指幅4本下がったところ。 -
労宮(ろうきゅう):自律神経を整える
手のひらの中心部分。手を握ったときに中指があたるところ。 -
中脘(ちゅうかん):吐き気を抑えたり胃腸の調子を整えたりする
みぞおちとおへその中間部分。おへそに小指をあてたときに親指があたるところ。
ツボを押す対処法はその場ですぐにできるので、仮眠が取れなかったり薬が飲めなかったりする状況のときにおすすめです。
3. 消化に良いものを食べる
食事がとれそうなときは、消化に良いものを食べましょう。栄養を補給することで身体が温まり、寝つきを良くしたり夜中に空腹で起きるのを防いだりする効果が期待できます。翌日の気持ち悪さを緩和するのに有効です。
もし吐き気が強く食事をとるのがむずかしい場合は、だし汁や味噌汁、コンソメスープなどの汁物がおすすめです。固形物が食べられそうなときは、おかゆやうどん、豆腐など温かい食事をとりましょう。
4. 薬を飲む
吐き気がつらいときは、薬を飲むのがおすすめです。胃腸薬や胃薬の中には自律神経を整える作用をするものがあり、気持ち悪さを軽減するのに役立ちます。吐き気を伴う場合は、症状を緩和する薬を飲むのが良いでしょう。
また、気持ち悪さと一緒に頭痛の症状が出る場合は、鎮痛剤を服用するのがおすすめです。頭痛が治まることで、気持ち悪さが緩和されるケースがあります。薬には飲み合わせが禁止のものがあるため、医師や薬剤師に相談してから服用するようにしましょう。
5. お風呂に入る
起床後、出勤までの時間に余裕があるときはお風呂に入ることは、気持ち悪さを緩和するのに効果的です。37〜39℃のぬるま湯に10分以上浸かることで、副交感神経が優位な状態になります。交感神経を鎮められるため、気持ち悪さの緩和につながるといわれています。
また、寝不足による気持ち悪さを抑えるため、夜のお風呂の入り方を変えてみることもおすすめです。就寝する90〜120分前に入浴をすませることが、ポイントです。お風呂に入ることで一時的に体温が上がり、その後深部体温が下がるタイミングで眠気が起こり、布団に入るころにはスムーズに入眠できます。入浴することで自律神経が整いやすく、吐き気の改善につながります。
ぬるま湯に浸かると副交感神経が優位になり身体がリラックスできるため、睡眠の質を高める効果もあるのです。ただし、吐き気があるときに入浴すると、症状が悪化する可能性があります。この場合は、症状が落ち着いてから入浴するようにしましょう。
寝不足で気持ちが悪いときは無理せず行動しよう
寝不足で気持ち悪いときは、自律神経の乱れやストレスを抱えていることが原因として考えられます。場合によっては、病気の可能性があるため、心配なときは一度病院で診察してもらうのが良いでしょう。
まずはご自身なりにできる対処法を知っておくと、いざというときに役に立ちます。今回紹介した対処法を参考にしながら、無理せずに行動してみましょう。