寝つきが悪いと眠りが浅くなるため、何度も目を覚ましてしまうものです。日中、眠気に襲われ仕事や生活に影響が出てしまう方もいるでしょう。改善したくても、原因や対処法がわからないと不安になりますよね。
そこで本記事では、寝つきを良くする方法を紹介します。寝つきが良くなれば、睡眠の質が高まり、夜中の目覚めを防げます。また、寝つきが悪くなる原因についても解説しますので、健康的で楽しい毎日を送りたい方は参考にしてみてください。
寝つきを良くする方法3選
寝つきを良くする方法は、以下の3つです。
- 温かい飲み物を飲む
- アロマを焚く
- ツボを押す
それぞれ詳しく解説しますので、寝つきが悪くお悩みの方は参考にしてみてください。
1. 温かい飲み物を飲む
就寝前に温かい飲み物を飲むと寝つきが良くなるため、おすすめです。温かい飲み物には、体温を一時的に上げる効果があります。身体内部の深部体温が下がると眠気が起こるため、就寝する約1時間前に温かい飲み物を飲むことでスムーズに入眠できます。
また温かい飲み物には、副交感神経の働きを優位にするリラックス効果があるといわれ、睡眠の質を高めるのに有効です。具体的にはカモミールやラベンダーのハーブティー、はちみつを入れたホットミルクなどがおすすめです。
ただしコーヒーやココアなど、カフェインを含む飲み物は覚醒作用があるため避けるようにしましょう。
寝る前の飲み物については、関連記事の「睡眠の質を上げる飲み物5選|快適な眠りを支える行動を解説」で詳しく解説していますので、こちらもぜひご覧ください。
2. アロマを焚く
アロマは、睡眠の質を高めるのに役立つアイテムです。アロマの心地よい香りが脳に働きかけ、心身ともにリラックス効果が得られます。
なかでも、おすすめはラベンダーの香りです。ラベンダーには不安を解消し、睡眠の質を高める効果が期待できます。ラベンダー以外にも、ベルガモットやプチグレン、カモミール、イランイランなども睡眠に良い影響を与えるといわれています。
しかし、アロマを焚くのは大変だと感じる方がいるかもしれません。アロマが大変だと感じる方は、ロールオンタイプのフレグランスやボディークリームを使うのが良いでしょう。
3. ツボを押す
寝つきを良くするために、不眠に効果があるツボを刺激するのはおすすめです。ツボを刺激することで、身体の治癒力や免疫力を高める効果があるといわれています。一般的に、不眠に効果があるツボは次の2つです。
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労宮(ろうきゅう):手を握ったときに人差し指と中指の先端の間にあるところ
全身の緊張がゆるみ、リラックスした状態になる。 - 失眠(しつみん):かかとの中央部分
寝つきの悪さや浅い眠りなどによる不眠に効果がある。
労宮はやや強めに、失眠はお灸や湯たんぽで温めて刺激すると良いでしょう。
寝つきが悪くなる5つの原因
そもそも、なぜ寝つきが悪くなるのでしょう。原因がわからないと、根本的なところが解決できず、何度も悩まされることになります。寝つきが悪くなる原因には、次の5つが考えられます。
- ストレス
- 生活リズムの乱れ
- 就寝前のカフェイン摂取
- ブルーライト
- 病気や薬の影響
それぞれ詳しく解説しますので、慢性的に寝つきが悪くお困りの方は、参考にしてみてください。
1. ストレス
ストレスや緊張状態は睡眠に影響します。ストレスは自律神経を乱す原因の1つです。ストレスを受けると交感神経が活発化し、夜間に優位になる副交感神経の働きが抑えられます。心と身体が興奮状態になるため、布団に入ってもなかなか寝つけなくなるのです。
就寝前に「あのときこうしていれば…」「明日こんなことが起きたら…」と、悩んだり心配したりしやすい人は要注意です。嫌なことを考えればストレスを感じやすくなるため、寝つきが悪くなります。
2. 生活リズムの乱れ
寝つきが悪い人は、生活リズムが乱れている可能性があります。生活リズムが崩れると、体内時計が乱れ夜になっても交感神経が優位なままになるのです。交感神経が優位なままでは、身体は活動モードにあるため、なかなか寝つけなくなります。頻繁に夜更かしする人は、生活リズムが乱れやすい傾向にあるため注意しましょう。
また、カーテンを閉め切った部屋にいる人も注意が必要です。人の体は太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされ、夜になると自然に眠くなるようになります。朝に太陽の光を浴びる習慣がない人も、体内時計がリセットされず寝つけなくなる可能性があります。
3. 就寝前のカフェイン摂取
コーヒーや紅茶、緑茶などには覚醒作用をもつカフェインが含まれています。就寝前にカフェインを摂取すると入眠を妨げてしまい、休む時間になっても寝つけなくなります。覚醒効果がなくなるのが4、5時間程度と言われているため、夕方以降はカフェインの摂取を控えるようにしましょう。
また、寝酒の習慣がある人も注意が必要です。お酒は寝つきを良くしますが、睡眠の質を低下させる原因でもあります。眠りが浅くなりやすいため、途中で目が覚めてしまうことが多くなるのです。
4. ブルーライト
スマホやパソコンなどのデジタル機器から出るブルーライトは、交感神経を優位にします。ブルーライトを浴びると、夜になっても脳は「日中である」と錯覚を起こし、活動的になり寝つけなくなってしまうのです。
就寝する1〜2時間前からデジタル機器の使用を控える、ブルーライトカットの対策を行うなどの工夫が、寝つきを良くするには大切です。また、ブルーライトは睡眠ホルモンの「メラトニン」の分泌を抑制します。睡眠の質を低下させる原因となり、翌朝の目覚めにも影響するため注意しましょう。
5. 病気や薬の影響
病気や薬の影響により、寝つきが悪くなることがあります。たとえば、心の病は眠りや寝つきを妨げてしまうので、うつ病や依存症などを抱えている人は寝つけないことが多いです。
また抗うつ剤や降圧剤、甲状腺治療薬などを服用している人も、薬の影響で入眠しにくくなることがあります。2週間以上眠れない日が続いたり、生活に支障が出たりする場合、医師に相談するのが良いでしょう。
寝つきを良くする4つの生活習慣
最後に、寝つきを良くする生活習慣を紹介します。なかなか寝つけず困っている方は、次のような生活習慣を送りましょう。
- 昼寝をする
- 本を読む
- くつろぐ
- 適度に運動する
それぞれ詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 昼寝をする
日中、眠くなったら少し昼寝をしましょう。朝に太陽の光を浴びると、体内時計がリセットされ、交感神経が優位になり活動モードに入ります。昼に眠気を感じることは、正常な体内時計のリズムです。がまんせずに昼寝をすることで、その後も活動的になれます。
日中、交感神経が活発に働くと夜に副交感神経へとスムーズに切り替えられるため、寝つきが良くなるのです。昼寝をする際は30分以内にし、15時以降は控えるようにしましょう。仮眠が長すぎたり夕方に寝たりすると、夜の睡眠に影響するため注意が必要です。
2. 本を読む
寝る前に本を読む習慣をつけるのもおすすめです。現実から本の世界へと意識を向けられるため、ストレスやネガティブな考えが減る効果が期待できます。読書すると緊張がほぐれて、スムーズに入眠できるでしょう。
本は漫画や雑誌、写真集などでも構いません。ただし、スマホやタブレットでの読書は避けましょう。スマホから出るブルーライトを浴びると脳が覚醒し、睡眠の妨げになる恐れがあります。紙の本を読むのがポイントです。
3. くつろぐ
寝つきを良くするには、副交感神経が優位な状態であることが欠かせません。副交感神経はリラックスしているときに優位になるため、就寝前はくつろぐ時間を作ることが大切です。
たとえば38〜41℃の湯船に入ると、心身の疲れがとれてリラックスできます。体温が下がると眠気が起こるため、就寝する2時間前までに入浴をすませておくことがポイントです。
また、ストレッチや深呼吸をすると、緊張がほぐれ副交感神経へとスムーズに切り替わり入眠しやすくなります。好きな音楽を聞いたりアロマを焚いたりするなど、ご自身の好きなことでくつろげる時間を作ってみましょう。
4. 適度に運動する
日中は活動的に過ごすようにしましょう。日中に動かないと、脳は睡眠時に身体を休ませる必要がないと判断し、寝つきが悪くなります。適度に運動することで深部体温が下がり、夜になると自然に眠くなります。
ウォーキングやランニングなどの有酸素運動が、おすすめです。駅まで歩いたり社内で階段を使ったりして1日30分程度、運動してみてはいかがでしょうか。運動は、気分転換やストレス解消にもつながります。
寝つきが良くなる行動をしよう
「布団に入ってもすぐに寝つけない」「眠れずイライラしてしまう…」という方は、生活習慣に問題があるのかもしれません。今回紹介した寝つきを良くする方法や、生活習慣の見直しによって、改善できる可能性があります。
寝つきが良くなれば睡眠の質が高まり、健康や美容にも良い影響をもたらします。寝つきが良くなる行動を心がけて、充実した日々を過ごしましょう。