低血圧の人は、朝が苦手だという話を聞いたことがありませんか。この記事では、血圧と睡眠にはどんな関係があるのか、低血圧の人が気持ちよく寝起きできる工夫を解説しています。
低血圧と身体の関係
そもそも血圧が低い状態とはどのような状態を指すのでしょうか。また、血圧が低いときどんな症状が起こるのでしょうか。
低血圧とは?
血圧とは、心臓から送り出された血液が血管の壁を押すときの圧力のことです。血圧は、全身に送られる血液の量と血管の抵抗で決まります。心臓は収縮と拡張を繰り返して血液を送り出しています。心臓が収縮したときの血圧を収縮期血圧(最高血圧)、拡張したときの血圧を拡張期血圧(最低血圧)と呼びます。WHOでは収縮期血圧100(mmHg)以下、拡張期血圧60(mmHg)以下を低血圧の基準とされています。
どうして低血圧になるの?
身体の血圧を維持する働きがなんらかの理由で制御できなくなり、低血圧になる場合があります。低血圧になる原因として次の3つが考えられます。1つ目は、通常は収縮したり拡張したりして太さを変えている細動脈が、特定の薬やアレルギー反応などにより、十分に収縮できず拡張した場合です。2つ目は、心筋梗塞や不整脈などの心疾患により、心臓から血液を送り出す働きが弱くなる場合。3つ目は、脱水や出血などにより血液量が不足した場合です。
低血圧はいつどんな症状を引き起こす?
低血圧の症状として最も多いのは、めまいや立ちくらみです。血圧が下がりすぎると血液が全身にめぐらなくなります。すると、脳が酸欠の状態になり、めまいや立ちくらみが起きてしまいます。ほかには、頭痛、倦怠感・疲労感、動悸などの症状があります。血流の悪さによって身体の細胞への栄養が届かず、薄毛や切れ毛の原因となることもあります。
また、低血圧の症状は朝に強く出ることが多く、朝の寝起きが悪い、午前中に身体がだるいといった不調が生じます。
なぜ低血圧の人は朝に起きるのが辛いの?
ここまで低血圧の原因や症状について解説してまいりました。ではなぜ低血圧の人は、朝の寝起きが悪くなるのでしょうか。
自律神経のバランスが乱れているから
低血圧の人は、内臓の機能を調整する自律神経のバランスが乱れてしまいがちです。自律神経は交感神経と副交感神経に分かれています。交感神経は血圧を上げ、副交感神経は血圧を下げます。通常、睡眠中は副交感神経が優位になり、起きると交感神経が活発化します。しかし低血圧の人は、この切り替えがうまくいかず、夜でも眠くならず寝つきが悪くなったり、朝もなかなか起きられなかったりということが起こってしまうのです。
頭に十分な酸素が行き届いていないから
低血圧になると、心臓から送り出される血液が全身に行き届きにくくなります。全身をめぐる血液量が少なくなると脳に運ばれる酸素も少なくなります。脳が酸欠状態になり働きが弱ってしまい、目が覚めてもすっきりせず、寝起きが悪くなってしまうのです。
睡眠の質が良くないから
血圧とは関係なく、睡眠不足や睡眠の質の低下が原因で寝起きが悪くなることもあります。眠る直前まで仕事や運動をしていると、交感神経が優位になっているためなかなか寝つけません。また、就寝前にスマホの画面を見続けていると、自律神経の乱れにつながる可能性もあります。寝酒をすると、睡眠リズムが乱れてしまいます。寝室の室温や湿度などの睡眠環境や、枕やマットレスなどの寝具によって睡眠の質が低下し、寝起きが悪くなっているのかもしれません。
低血圧の人が朝の目覚めを良くするためには?
低血圧の人は朝起きるのが大変だということがわかりました。では、低血圧の人はどのようなことに気をつけたら朝に気持ちよく目覚めることができるでしょうか。
生活のリズムを整える
睡眠と深い関わりのある自律神経のバランスを整えるには、毎日できるだけ同じ時間に寝起きし、体内時計のリズムを整えることが大切です。規則正しい生活習慣を心がけましょう。
血行を良くする
低血圧の人は血液のめぐりが悪くなりがちです。さらに、運動不足や長時間のデスクワーク、普段の姿勢なども血行不良を引き起こす原因となります。血行を良くするためには、普段からできるだけ歩くようにするなど運動を心がけてみましょう。家では、ぬるめの湯舟に浸かったり、軽いストレッチをしたりすると固まった筋肉がほぐれて血流が良くなります。また、眠る前には、手足の指をグーパーにしたり、深く腹式呼吸を繰り返したりするのもおすすめですよ。
睡眠の質を上げる
睡眠の質が低いと、朝の寝起きが悪いだけでなく、心や身体の健康にも影響を及ぼします。
睡眠の質を上げるには、生活習慣のほかにも寝室の環境も重要です。温度や湿度、明るさ、音など、快適に睡眠できる環境を整えましょう。また、寝具が自分の身体に合っていないとぐっすり眠ることができません。ベッドやマットレス、枕を新しいものに変えるのも1つの方法ですよ。
低血圧の人も気持ちよく目覚めるために
血圧が低すぎると自律神経のバランスが乱れたり、全身に十分な血液がめぐらなかったりすると、身体にさまざまな不調が起こり、睡眠にも大きな影響を与えます。
低血圧のときどんな症状が出る?
低血圧だと血液が身体へ十分にめぐらず、酸素や栄養が細胞に行き届かなくなります。その結果として、主に次のような症状が現れることがあります。
- めまい、立ちくらみ
- 寝起きが悪い
- 頭痛
- 倦怠感、疲労感
- 肩こり
- 動悸
- 薄毛、切れ毛など
血圧は自律神経と密接な関係があり、交感神経が優位のとき血圧は上がり、副交感神経が優位のときに血圧は下がります。眠っているときは副交感神経が強く働き、目覚めると交感神経が活発化するのが通常です。しかし、低血圧の人はこの切り替えがうまくいかず、寝起きの悪さや不眠などが起こりやすくなります。
低血圧の人が気持ちよく目覚めるためには?
低血圧の人が朝になかなか起きられない原因を解決するためには、次のことが大切です。
- 生活リズムを整える
- 血行を良くする
- 睡眠の質を上げる
自律神経のバランスの乱れを改善するには、毎日同じ時間に寝起きし、生活リズムを整えることが大切です。夜更かしは避け、朝起きたら朝日を浴びて体内時計をリセットしましょう。身体に血液が行き渡るよう、夜はぬるめのお風呂に浸かったり軽いストレッチなどで血行を促したりすることも有効です。また、良質な睡眠のためには快適な寝具選びも重要ですよ。枕やマットレスを買い替えて、ぐっすりと眠れる環境づくりをしましょう。
気持ちよい目覚めとともに素敵な朝を迎えよう
低血圧の人にとって、朝は憂鬱なものです。しかし、ぐっすり眠って気持ちよく目覚めた朝は、やる気も湧いて良い一日になりそうな予感がしてきますよね。すっきりとした朝を迎えるために、できることから始めてみましょう。