「早起きしたいのに朝が苦手で起きられない」、「夜更かしをしたいのに遅くまで起きていられない」と悩む人は多いのではないでしょうか。世の中には朝が得意な朝型人間と、夜が得意な夜型人間がいるといわれています。
そこでこの記事では、朝型人間と夜型人間の特徴やメリット・デメリットを解説します。それぞれの特徴を知り、自分のタイプとの正しい向き合い方を把握しておきましょう。ぜひ参考にしてみてくださいね。
そもそも朝型・夜型とは?
そもそも朝型・夜型とはどのようなタイプを指すのでしょう。生まれつき決まっているタイプなのでしょうか。生活リズムによって変化するのでしょうか。まずは、朝型と夜型について確認してみます。
クロノタイプとは?
朝型・夜型といわれているものは、生まれつき備わっている生活パターンのことです。「朝のほうが活動しやすい」「夜のほうが集中できる」など、どの時間帯に活動しやすいのかによって、朝型・夜型・中間型の3パターンに分けられます。
朝型・夜型・中間型のパターンは、それぞれの体内時計が持つ1日の時間の長さが異なります。同じ1日でも、朝型人間の体内時計は短めで、夜型人間の体内時計は長めです。このパターンのことを「クロノタイプ」といいます。
あなたは朝型?夜型?
自分が朝型か夜型かを知りたい人向けに、クロノタイプをチェックできる「朝型夜型質問紙」というチェック用紙があります。チェック項目は、起床時間や就寝時間、起床後の様子や就寝前の状況など全19問です。
質問に答えて診断すると「超夜型」「夜型」「中間型」「朝型」「超朝型」、5パターンのうち、自分が当てはまるタイプが分かりますよ。
朝型人間が多い?夜型人間が多い?
では、日本人は朝型の人と夜型の人のどちらが多いのでしょうか?NHK放送文化研究所が実施した調査によると、ここ数年で日本における生活スタイルは朝型に移行しつつあることが分かったそうです。
2010年と2015年の結果を比較すると、就寝時間や仕事を開始する時間が早まっています。2020年は新型コロナウイルスの影響で遅くまで仕事をする人が減ったこともあり、より早めに就寝する人が増えたようです。
クロノタイプは何で決まる?
私たちのクロノタイプを決めている一番大きな要因は遺伝子です。クロノタイプは、PER3遺伝子という体内時計をコントロールする時計遺伝子によって決まっていることが分かっています。PER3遺伝子が長い人は朝型人間、短い人は夜型人間です。
ただし、クロノタイプを決めているのはPER3遺伝子だけではありません。普段の生活習慣や環境の影響を受けることも分かっています。
朝型人間の特徴は?
ここまでは、クロノタイプについて解説してきました。では、朝型人間と夜型人間はそれぞれどのような特徴があるのでしょうか。まずは朝型人間の特徴を具体的に見てみましょう。
朝の目覚めがいい
朝型の場合、朝の目覚めがいい人が多い傾向にあります。二度寝をすることもなく、中には目覚まし時計をセットしなくても自然と目が覚める人もいます。早起きをしても朝から調子が良く健康的に過ごせる上に、早めに就寝するため比較的生活リズムが整っています。
午前中の生産性が高い
朝型の人は、朝から集中力やパフォーマンスが上がり生産性が高いことも特徴です。朝型人間は朝起きる段階でスムーズに活動できるように体温が上がっています。そのため、朝から頭が冴えており、朝一番の会議も問題ありません。
午後や夜の生産性は低い
一方で、午後から夜にかけての生産性は下がりがちです。急な仕事や誘いに対応するのが難しいだけでなく、寝る時間がいつもより遅くなると体調に影響が出やすくなる人もいます。期限が迫った仕事がある場合でも、徹夜は避けたほうが無難でしょう。
もし、どうしても翌日までに終わらせなければならない仕事があるのなら、一度寝て朝早起きしたほうが効率が良くなります。
夜の寝付きがいい
人は身体の内部の温度、深部体温が下がることで眠りにつきます。身体は体内時計の影響を受けて自分で体温を下げています。深部体温が下がるほど眠りやすくなるのです。朝型人間の人はこの深部体温が下がりやすいため、夜の寝付きがいいことも特徴です。
夜型人間の特徴は?
朝型人間は朝から午前中にかけての時間帯が得意なことが分かりました。次は、夜型人間にはどのような特徴があるのかも確認してみましょう。
朝なかなか起きられない
夜型人間は夜遅くまで起きていることが多く、生活リズムが不規則になりがちなので自律神経も乱れやすくなります。そのため早起きが苦手で、朝なかなか起きられないことが大きな特徴です。目覚まし時計をたくさんセットしても起きられず、毎朝慌ただしくなる上に家を出るのが遅れるケースも少なくありません。
夕方以降の生産性が高い
夜型人間は、朝型人間と比べると午後、特に夕方以降に生産性が高くなる人が多い傾向にあります。そのため、大事な仕事はできるだけ遅い時間に入れたほうがはかどるでしょう。仕事が詰まっているときも、夜遅くまで取りかかれるタフさがあります。
寝付きが悪く眠くなりにくい
夜型人間はベッドに入ってもなかなか眠りにくいなど、寝付きがあまり良くないことも特徴です。これは、夜型人間は朝型人間とは反対に、深部体温が下がるまでに時間がかかってしまうからです。
夜型人間は夜が得意だからといって夜更かしを続けていると、体内時計のリズムが遅れてしまいます。すると寝る時間になっても深部体温がなかなか下がらず、眠るまでに時間がかかってしまうのです。
クロノタイプに合わせた生活をするとどんな効果がある?
朝型人間と夜型人間には、それぞれで得意・不得意な時間帯があるなどの特徴があることが分かりました。では、自分のクロノタイプに合わせた生活をすると、どのような効果があるのでしょうか。
健康的な身体に
人は体内時計のリズムが安定すると睡眠のリズムも整い、さまざまなホルモンが適切に分泌されるようになります。すると肥満や病気のリスクが下がり、健康的な身体でいられます。生まれ持った体内時計のリズムに合わせると、すこやかな生活が望めます。
お肌にもいい効果が
体内時計のリズムを整えると、お肌にもいい効果が期待できます。時計遺伝子はお肌にも存在しており、体内時計が関わっていることが分かったからです。生活習慣や睡眠時間が乱れると体内時計も乱れてしまいます。クロノタイプに合わせて体内時計を整えることで、お肌の状態も整いますよ。
クロノタイプは変えられる?
自分のクロノタイプに合わせた生活を送ると、身体にいい効果が期待できることが分かりました。とはいえ、仕事や一緒に暮らす家族の都合で、どうしても生活スタイルを変えなくてはならないケースもありますよね。
では、朝型人間が夜型人間のように、夜型人間が朝型人間のように生活することはできるのでしょうか?
朝型の人が夜型になるには?
朝型の人が夜型になり夜の生産性を上げるためには、以下の2つことを意識してみてください。
・遮光カーテンを使い午前中は室内を暗く、夜は明るくして生活してみる
・身体の深部体温をコントロールするために、お風呂に入る時間を変えてみる
一般的に、寝る時間の90分程度前にお風呂に入ると、ちょうどいいタイミングで深部体温が下がるといわれています。室内の環境とともに入浴時間も変えてみましょう。
夜型の人が朝型になるには?
夜型の人が早起きに挑戦したり、午前中の生産性を上げたりするためには、以下のことを意識してみましょう。
・朝起きたら朝日を浴びる
・夜は早めに寝るようにする
・お風呂に入る時間を変えてみる
・朝起きる時間を少しずつ早めていく
・睡眠の質を上げて睡眠時間を短くする
クロノタイプが朝型に変わるように生活習慣を変えてみます。早起きをすると睡眠時間が足りないという場合は、寝具や寝室の環境を整えて睡眠の質を上げましょう。
あなたは朝型?夜型?
最後に朝型と夜型の特徴をまとめてみます。あなたはどちらに当てはまりますか?
朝型人間の特徴は?
朝型人間の特徴は以下の通りです。
・朝の目覚めがいい
・午前中の生産性が高い
・午後や夜の生産性は低い
・夜の寝付きがいい
朝型人間は朝から午前中にかけて調子がいいことが特徴です。
夜型人間の特徴は?
夜型人間の特徴は以下の通りです。
・朝なかなか起きられない
・夕方以降の生産性が高い
・寝付きが悪く眠くなりにくい
夜型人間は朝に弱いものの、夕方以降の生産性が高く夜に強いことが特徴です。
自分のタイプを知って充実した毎日を過ごそう
朝型と夜型とは、クロノタイプと呼ばれる生まれ持った生活パターンのことです。自分のクロノタイプに合わせた生活を送るとさまざまなメリットがあります。自分のクロノタイプとうまく向き合って、充実した毎日を過ごしましょう。