放置したら危険?睡眠中のいびきの原因と改善方法を解説

「睡眠中のいびきは放置したままでも大丈夫?自分で改善できる方法があるなら知りたい」

そんな不安を抱えている人へ。

寝ている間にいびきをかく原因と、その改善方法について詳しくご紹介します。

いびきには、思わぬ病気のサインが隠れている可能性も考えられるため、そのメカニズムをしっかり理解して、正しく対処することが大切です。

睡眠中の不安を払拭して、安心してぐっすり眠れる健康な身体を目指しましょう。

いびきのメカニズム

いびきは、空気の通り道である「上気道」が狭くなることで起こります。

上気道が狭くなると、呼吸をしたときに鼓膜が振動して音が生じますが、これがいびきの音です。

いびきの大きさや連続性には個人差がありますが、そのメカニズムは同じです。

枕の高さや寝姿勢、体調などによって音が変化することもあります。

特に仰向けの姿勢で寝ている場合、上気道の周りにある舌の付け根などが喉の奥に落ち込むため、上気道が塞がれていびきをかきやすくなります。

慢性的ないびきは睡眠の質を低下させる原因になり、放置していると日中のパフォーマンスに影響する可能性もあるため注意が必要です。

いびきをかいている原因を明らかにし、できることから改善に努めましょう。

主ないびきの原因5つ

いびきをかく原因には、日本人の骨格的な特徴や生活習慣の変化が関係していると考えられています。

これからご紹介する5つの原因と照らし合わせて、睡眠中にかくいびきの原因を見つけるヒントにしてください。

鼻づまり

風邪や鼻炎による鼻づまりは、炎症などで鼻腔が狭くなり、いびきの原因になることがあります。

鼻づまりで鼻呼吸ができなくなると、自然と口で呼吸をするようになります。口呼吸は舌根沈下によって気道が塞がれやすいため、いびきをかきやすくなるのがデメリットです。

以下のような症状がある人は、鼻づまりがいびきの原因になっているかもしれません。

・風邪

・アレルギー性鼻炎

・鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)

・慢性的な扁桃炎

・アデノイド肥大

・鼻ポリープ 

体質や骨格、加齢による衰え

体質や骨格の違い、加齢による衰えなどがいびきの原因となる場合もあります。

特に私たちアジア人の骨格は、下顎が小さく、後退している人が多いため、上気道が狭められていびきをかきやすくなるのが特徴です。

他にも、以下のような体質の人はいびきをかきやすい傾向があります。

・口蓋垂(こうがいすい)が長い・太い・大きい

・舌が大きい

また、加齢によって舌を支える筋肉が衰えている場合も、上気道が塞がれやすいため、いびきをかく原因になります。

肥満

肥満体型になると、内臓脂肪だけでなく首の周りにも脂肪が増えて、気道を圧迫しやすくなります。

さらに、舌にも脂肪がつくため、より空気の通り道が狭くなります。

これが、肥満の人がいびきをかきやすい理由です。

一般的には、体重の増加にともなって、いびきや睡眠時無呼吸症候群が生じやすくなると言われています。

アルコール

アルコール成分には、筋肉を緩ませる作用があります。

そのため、飲酒をすると舌の筋肉が緩み、舌根沈下が生じることで、いびきをかきやすくなるのです。

特に仰向けで就寝するときには、重力によって舌が喉の奥に落ち込みやすいため、いびきをかきやすくなります。

飲酒した日の夜にいびきをかきやすいのは、このためです。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome)とは、寝ている間に何度も呼吸が止まる病気です。

医学的には、10秒以上の呼吸停止状態を「無呼吸」と呼びますが、1時間に5回以上の無呼吸もしくは低呼吸(息の大きさが通常の50%以下になる浅い呼吸)が睡眠中にみられた場合に診断されます。

また上記の症状に加えて、以下のような症状がある場合には、閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断されます。

・いびき

・日中の眠気

・集中力の低下

・血圧の上昇

・精神状態への影響

睡眠中のいびき改善方法7選

睡眠中のいびきを改善するためには、原因に合った対処を行うことが重要です。

中でも軽度のいびきは、生活習慣の見直しなどで改善が期待できる場合もあります。

正しい対処方法を知って、早期の改善を目指しましょう。

体重を減らす

体重が増加すると、首だけでなく上気道の壁にも脂肪がつくため、いびきをかきやすくなります。

つまり、肥満が原因でいびきをかきやすい人は、ダイエットで首まわりの脂肪を減らすことでいびきが改善される可能性が高まるのです。

健康な身体づくりのためにも、こまめに体重をチェックして、できるだけ適正体重を維持するよう心がけましょう。

寝具の見直しや寝る時の姿勢を工夫する

普段から仰向けで寝る頻度が多い人は、横向きになって寝ることでいびきの原因になる気道の閉塞を軽減できます。

横向きで寝ることに慣れていない人は、身体が自然に横向きになる抱き枕を使って寝ると良いでしょう。

下になる方の身体にかかる負担が軽減されるため、慣れない寝姿勢でもスムーズに寝つきやすくなります。

寝酒は止める

寝る前にお酒を飲む習慣がある人は、寝酒をやめることでいびきを改善できる可能性があります。

アルコール成分には筋肉を緩ませる作用があるため、飲酒によって上気道の筋肉が緩むと気道が狭くなり、いびきの原因になるためです。

部屋の湿度を保つ

いびきの改善には、空気の乾燥を防ぐことも重要です。

いびきをかくと自然と口呼吸になりますが、口呼吸は喉の乾燥や炎症のリスクを高めます。

喉が炎症を起こすと気道が狭くなり、さらにいびきが悪化するかもしれません。

特に乾燥しやすい季節には、加湿器をつけて部屋の湿度を保った状態で寝ることを心がけましょう。

鼻づまりの原因である疾患を治療する

いびきをかく原因が鼻水や鼻づまりである場合は、それらを治療することでいびきの改善が期待できます。

鼻水や鼻づまりといった症状は市販薬で対処できる場合もありますが、早めに適切な治療を受けたい場合は医療機関での受診をおすすめします。

また、市販薬で治らなかった場合や専門家のアドバイスが欲しい場合も、医療機関で受診しましょう。

自律神経を整える

いびきを止めるだけではなく、睡眠の質を向上させる方法もいびき対策につながります。

睡眠の質を高めるには、自律神経のバランスを整えることが重要です。

自律神経を整えてくれる「セロトニン」という物質が、睡眠を促す「メラトニン」というホルモンの材料になるためです。

睡眠の質に着目して、効果的にいびき対策を行いましょう。

いびきの改善に舌のトレーニングをする

舌のトレーニングをすると、口まわりの筋肉が鍛えられるため、気道が確保されやすく、いびきの防止に大きな役割を果たします。

以下のステップに従って、実践してみましょう。

それぞれ3セット行います。

1 舌を前に出し5秒キープ

   舌先を上顎の奥につけ5秒キープ

2 舌を上顎、下顎に押し付けてそれぞれ10秒キープ

3 奥歯から順に舌を歯に沿わせて回転させる

4 口を大きく開けて「あー、いー、うー、えー、おー」とゆっくり発声

5 頬を膨らませて5秒キープ

   口をすぼめて5秒キープ

睡眠中のいびきは病気のサインかも。放置はしないように

風邪を引いたときや飲酒した日などの一時的ないびきは、症状の改善にともなっていびきも減少するため、ほとんどの場合は心配いりません。

一方で、病気が原因となっているいびきは、慢性的に睡眠の質を低下させ、日常生活に支障をきたす恐れがあるため、病気の治療が必要です。

いびきが悪化した場合、睡眠時無呼吸症候群になるおそれもあります。

睡眠時無呼吸症候群になると、高血圧、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病、高脂血症などの命に関わる疾患につながるリスクが高まるため、早期の診断と治療が必要です。

慢性的ないびきに悩まされている人は、早めに医療機関を受診して適切なアドバイスや治療を受けることをおすすめします。

いびきを改善して睡眠の質を上げましょう

いびきの原因には、生活習慣の見直しで改善できるものだけでなく、日常生活に支障をきたす可能性のある恐ろしい病気が隠れている場合もあります。

今回ご紹介した「睡眠中のいびき改善方法」を試してもなかなかいびきが改善しないときは、自己判断による軽い気持ちで放置せず、積極的に医療機関を受診することをおすすめします。

病気のリスクを減らすためにも、可能な限り早めにいびきを改善して、睡眠による疲労回復効果をどんどん高めていきましょう。

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