「朝起きるのが苦手」「以前はスッキリと起きられたのに、目覚ましをセットしても起きられなくなった」そんな経験ありませんか?毎日のことだからこそ、不調が長期間続くと疲労やストレスで体調を崩す原因につながります。
このコラムでは、朝スッキリと起きられない方へ寝覚めが悪くなる原因や改善に効果的な対策、生活習慣の見直しポイントについて解説します。
すぐに実践できることばかりなので、無理のない範囲で生活に取り入れてみてください。良質な睡眠で身体を整えて、1日の始まりを気持ち良くスタートさせましょう。
朝起きられない原因5選
朝スッキリと起きられない原因は、生活習慣から環境が影響するものまでさまざまです。今回紹介する5つの原因の中からご自身に当てはまるものがあれば、改善のヒントにしてみてください。
1. 睡眠時間の不足
十分な睡眠時間を確保することは、日中の活動で疲れた身体を休めるために必要不可欠です。何らかの原因で睡眠不足が続くと、心身の疲労が蓄積し翌朝の目覚めに影響します。
また睡眠時間が不足している人の中には、夜遅い時間に寝る方が多いのではないでしょうか。就寝時間が遅くなるほど、眠りの深いタイミングで起きることにつながり、朝の寝覚めが悪くなる原因になります。
2. 体内時計のズレ
私たちは、脳内の体内時計で就寝と起床のリズムを整えています。寝る前にスマートフォンやテレビから強い光の刺激を受けると、体内時計が遅れて睡眠のリズムが後退します。
光の刺激には、眠気を誘発させるホルモンである「メラトニン」の分泌を抑制し、脳を覚醒させる効果があるため注意が必要です。体内時計のズレは、寝付きが悪くなる原因につながるだけではなく、翌朝の寝覚めを悪くする要因になるため、注意しましょう。
3. 低血圧
普段から疲れやすい、食欲がない、立ちくらみなどが多い方は、低血圧が原因で朝スッキリと起きられない可能性があります。低血圧の目安は、一般的に最高血圧が100mmHg以下です。
低血圧の方は全身へ血液を送る力が弱いため、脳への血流が不十分になります。脳への血流が不足し十分な酸素が届かないと、朝の寝覚めが悪くなりやすいでしょう。
4. ストレス
ストレスによる緊張状態は、自律神経を乱れさせ睡眠に影響します。自律神経には身体を活発にする「交感神経」とリラックス状態にする「副交感神経」があり、この2つがバランスを保つことで就寝と起床のリズムを整えています。
寝付きが悪く交感神経が優位な状態になりにくくなると、朝スッキリと起きられなくなるため、ストレスをためないことが大切です。
5. うつ病
寝られない、起きられないことで日常生活に支障が生じる場合、うつ病が原因の可能性があります。精神的・身体的ストレスの他に、進学や就職、結婚など環境の変化によってうつ病になることがあるので注意が必要です。
厚生労働省のデータによれば、日本では100人のうち約6人が生涯のうちにうつ病を経験していることが分かっています。うつ病の予防には、ストレスから離れた環境で過ごすことが大切です。
参照:厚生労働省|うつ病
”朝起きられない”の対策として効果的なこと
朝の寝覚めが悪い方でも、スッキリと起きられる対策を4つ紹介します。どの項目も日頃の生活に取り入れると、効果が期待できます。少しでもご自身の習慣を見直して、睡眠の質を向上させていきましょう。
寝る前にお風呂に入る
就寝前の入浴は、睡眠の質を高めるのに効果的です。寝る前にお風呂に入ると体温が一時的に上昇し、寝る頃には深部体温が下がることで眠気が誘発されます。就寝の1時間30分前を目安に、40度位のお湯に15分程度浸かると効果的です。
入浴後はスマートフォン・テレビなどの強い光やコーヒー・アルコールなどの刺激が強い飲み物などは避けるようにし、リラックス状態を維持するよう心がけましょう。
睡眠時間を取る
朝起きられない方は、睡眠時間を確保することが大切です。睡眠が短いと心身の回復に必要な時間が足りず、朝起きるのが辛くなります。ただし、睡眠時間が長すぎても質は低下するため、長ければ良いというわけではありません。
成人の理想的な睡眠時間は7時間程度と言われていますが、人それぞれに異なります。ご自身がスッキリ起きられる睡眠時間を見つけられるように、いろいろ試してみるのが良いでしょう。
同じ時間にベッドに入る
十分な時間を確保しても、寝る時間が一定でなければ質の高い睡眠は取りにくいと言われています。また、私たちは、体内時計のメカニズムによって夜に眠くなり朝は活動的になります。
睡眠の質を高めて朝スッキリ起きるためには、就寝の時間を一定にして体内時計のリズムを整えることが大切です。朝の目覚めを改善するためには、睡眠時間の確保だけではなく毎日同じ時間にベッドに入るように心がけましょう。
朝日を浴びる
朝起きるのが苦手な方は起床後、朝日を浴びる習慣をつけるのが良いでしょう。朝に太陽の光を浴びると、体内時計のリズムが整えられスッキリと目覚められます。また朝日を浴びると、睡眠ホルモンの「メラトニン」が分泌され寝付きが良くなるでしょう。
朝だけでなく、日中に太陽の光を浴びることも効果的です。屋内にいる場合、紫外線に注意しながら太陽の光を取り入れるように意識してみましょう。
”朝起きられない”から変わる普段からの習慣
朝の目覚めを良くするための具体的な対策を3つ紹介します。ご自身の生活習慣と比較して、より良い睡眠環境に必要なことを意識して積極的に取り入れてみましょう。気軽にできることから始めてみるのがおすすめです。
食事をしっかり取る
睡眠の質は、規則正しい食事で改善へ向います。朝の食事は胃腸を活発にし、体内時計のリズムを整える効果が期待できます。
また消化には3時間程度かかるため、寝る3時間前までには夕食を済ませておきましょう。寝る直前に食事を取ると、体が消化活動を優先し眠りが浅くなる可能性があります。
ただし、空腹状態でも覚醒によって睡眠の質が低下するため、夕食から寝るまでの間には、消化の良いものや温かい飲み物を取り入れるのがおすすめです。
定期的に運動する
定期的な運動は、睡眠の質を改善するのに効果的です。様々な研究データから「適度な運動をしている人はよく眠れる」ということが明らかになっています。
運動するのに効果的なタイミングは、就寝の3時間ほど前までです。運動で一時的に体温を上げてから就寝すると、深部体温の低下幅が大きくなり、睡眠の質を改善できます。ただし、寝る直前の運動は覚醒作用があるので控えるのが良いでしょう。
ストレスを溜めない
ストレスを溜めると自律神経のバランスが崩れ、寝付きが悪くなったり朝起きられなくなったりします。普段からできるだけストレスを溜めないように適度に発散することが大切です。
趣味に没頭したりストレッチでリラックスしたりして、ストレスを発散させてみてはいかがでしょう。ご自身に合った解消方法を見つけて、日頃からストレスを溜めない工夫をしましょう。
自分に合った方法で朝起きられるように取り組もう
朝スッキリと目覚めるためには、毎日同じ時間に就寝し良質な睡眠を取ることが重要です。
しかし、忙しくて深夜に就寝する日が続いて、なかなか睡眠時間を確保できない日もあるでしょう。
ご自身にとって無理のない範囲で、適度な運動や規則正しい食事、入浴習慣などを意識した生活を取り入れることが大切です。安定した生活習慣を心がけると、体内時計のリズムが整い、朝に気持ちよく起きられる身体に変化していきます。今回紹介した対策を参考に、毎日ぐっすり眠れる疲れにくい身体づくりを目指しましょう。